受賞作品5
 
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賞一覧 日本ホラー小説大賞
  
日本ホラー小説大賞
■第1回(1994年)
・佳作 蟲 坂東眞砂子 4041932017  1994/4
めぐみは平凡な主婦として隠やかな日々を送っていた。ある夜、夫が古い石の器を持って帰宅。富士川のほとりで捨ったというその器には常世虫と彫られていた。その時から彼女は奇怪な夢や超常現象に悩まされ始める。そしてある日、夫の体から巨大な緑色の虫が這い出るのを目撃してしまった。深まる謎は、古代の俗信仰・常世神へと遡ってゆく…。
・佳作 混成種―HYBRID― カシュウ・タツミ 4041931010  1994/4
それは、天才が生み出した一つの発明から始まった…。学界から異端視されている黒田博士の発明・金属植物は、画期的であるにもかかわらず、学界やマスコミから全く相手にされなかった。なんとかして世の人々に認めさせたい。黒田は、金属植物チップを代用神経として使うことを思いつき研究を重ねた。実験が進むにつれ、黒田は妄想と狂気のはざまに入り込み、ひとつの想いに捕らわれていった。
・佳作 郵便屋 芹沢準 4041930014  1994/4
結婚をひかえ、平凡な幸福を満喫していた萩尾和人の前に、ある日突然現れた不吉な影―今日もまたあの郵便屋が、忘れていた忌しい過去を配達にやってくる。住所も宛名もない不気味な封筒を、古ぼけた配達鞄にしのばせて…。

■第2回(1995年)
・大賞 パラサイト・イヴ 瀬名秀明 4043405014  1996/12
永島利明は大学の薬学部に勤務する気鋭の生化学者で、ミトコンドリアの研究で実績をあげていた。ある日、妻の聖美が、不可解な交通事故をおこし脳死してしまう。聖美は腎バンクに登録していたため、腎不全患者の中から適合者が検索され、安斉麻理子という14歳の少女が選び出される。利明は聖美の突然の死を受け入れることができず、腎の摘出の時に聖美の肝細胞を採取し、培養することを思いつく。しかし、Eve 1と名づけられたその細胞は、しだいに特異な性質を露わにしていった…。
・短編賞 玩具修理者 小林泰三 4043470010  1999/4
玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。壊れたものを一旦すべてバラバラにして、一瞬の掛け声とともに。ある日、私は弟を過って死なせてしまう。親に知られぬうちにどうにかしなければ。私は弟を玩具修理者の所へ持って行く…。現実なのか妄想なのか、生きているのか死んでいるのか。

蟲 坂東眞砂子 混成種―HYBRID― カシュウ・タツミ 郵便屋 芹沢準 パラサイト・イヴ 瀬名秀明 玩具修理者 小林泰三

■第3回(1996年)
・長編/佳作 十三番目の人格―ISOLA― 貴志祐介 4041979013  1996/4
賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパスだった。その能力を活かして阪神大震災後、ボランティアで被災者の心のケアをしていた彼女は、西宮の病院に長期入院中の森谷千尋という少女に会う。由香里は、千尋の中に複数の人格が同居しているのを目のあたりにする。このあどけない少女が多重人格障害であることに胸を痛めつつ、しだいにうちとけて幾つかの人格と言葉を交わす由香里。だがやがて、十三番目の人格ISOLAの出現に、彼女は身も凍る思いがした。
・短編/佳作 ブルキナ・ファソの夜 櫻沢順 4043622015  2002/1
旅行会社でツアーの企画を担当する僕は、ツアーのネタを探して世界中を飛び回っていた。ある日、航空機の給油のために西アフリカの小国、ブルキナ・ファソに立ち寄った僕が経験した不可思議な出来事とは――。

■第4回(1997年)
・大賞 黒い家 貴志祐介 4041979021  1998/12
若槻慎二は、生命保険会社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに…。
・長編賞 レフトハンド 中井拓志  4043464010  1998/12
製薬会社テルンジャパンの埼玉県研究所・三号棟で、ウィルス漏洩事件が発生した。漏れだしたのは通称レフトハンド・ウィルス、LHVと呼ばれる全く未知のウィルスで致死率は100%。しかし、なぜ三号棟がこのウィルスを扱っていたのかなど、確かなことはわからない。漏洩事故の直後、主任を務めていた研究者・影山智博が三号棟を乗っ取った。彼は研究活動の続行を要請、受け入れられなければウィルスを外へ垂れ流すと脅かす。
・短編賞 D−ブリッジ・テープ 沙藤一樹 4043463014  1998/12
近未来、ゴミに溢れた横浜ベイブリッジで少年の死体と一本のカセットテープが発見された。今、再開発計画に予算を落とそうと、会議室に集まる人々の前でそのテープが再生されようとしていた。耳障りな雑音に続いて、犬に似た息遣いと少年の声。会議室で大人たちの空虚な会話が続く中、テープには彼の凄絶な告白が。

十三番目の人格―ISOLA― 貴志祐介 ブルキナ・ファソの夜 櫻沢順 黒い家 貴志祐介 レフトハンド 中井拓志 D−ブリッジ・テープ 沙藤一樹

■第6回(1999年)
・大賞 ぼっけえ、きょうてえ 岩井志麻子 4043596014  2002/7
―教えたら旦那さんほんまに寝られんようになるこの先ずっとな。時は明治。岡山の遊郭で醜い女郎が寝つかれぬ客にぽつり、ぽつりと語り始めた身の上話。残酷で孤独な彼女の人生には、ある秘密が隠されていた。
・長編/佳作 スイート・リトル・ベイビー 牧野修 4043522010  1999/12
ボランティアで児童虐待の電話相談をしている秋生。彼女自身、かつて育児ノイローゼになりかけていたところを保健婦に救われたという過去があった。人はなぜ、幼い子供を虐待しなくてはならないのか―そんな疑問を抱く秋生のもとにかかってきた一本の電話。それをきっかけに、彼女は恐ろしい出来事へと巻き込まれていく。
・短編/佳作 お葬式 瀬川ことび 404352501X  1999/12
授業中に突然鳴り出したポケベルの電子音。あわてて見た液晶画面に表示されたメッセージは『チチキトク』。病院で、豪華なカタログをかかえてやってきた葬儀社を丁重に追い返して母は言った。「うちには先祖伝来の弔い方がございます―」

■第8回(2001年)
・大賞 ジュリエット 伊島りすと 4043700024  2003/9
娘と息子を連れ、亡妻との思い出の地である南の島を訪れた小泉健次。彼はその島にある建設途中のゴルフ場の管理の仕事をすることになっていた。ある日、健次は息子にせがまれて採った貝を貝殻にしようと浜に出ると、出会った老人から魂抜けという言葉を聞く。貝から中身が落ちるところは決して見てはいけないのだそうだ。だが、親子三人はその瞬間を偶然目撃してしまう。その日を境に彼らの周りで不思議な出来事が起こり始めた…。
・長編賞 夏の滴 桐生祐狩 4043703023  2003/9
僕は藤山真介。徳田と河合、そして転校していった友達は、本が好きという共通項で寄り集まった仲だったのだ―。町おこしイベントの失敗がもとで転校を余儀なくされる同級生、横行するいじめ、クラス中が熱狂しだした植物占い、友人の行方不明…。混沌とする事態のなか、夏休みの親子キャンプで真介たちが目の当たりにした驚愕の事実とは!?
・短編賞 古川 吉永達彦 4043723016  2003/9
一九六〇年代初頭、大阪の下町を流れる古川。古川のほとりの長屋では、小学生の真理とその家族がつつましく暮らしていた。しかし、ある嵐の夜、真理の前に少女の幽霊が現れて―。

ぼっけえ、きょうてえ 岩井志麻子 スイート・リトル・ベイビー 牧野修 お葬式 瀬川ことび ジュリエット 伊島りすと 夏の滴 桐生祐狩 古川 吉永達彦

■第10回(2003年)
・大賞 姉飼 あついすいか(遠藤徹 に改名) 4048734997  2003/11
脂祭の夜、まだ小学生だった僕は縁日ではじめて姉を見る。姉は皆、体を串刺しにされ、髪と爪を振り回しながら、凶暴にうめき叫んでいた……。諧謔的表現と不可思議なフリークス世界、かつてないホラー小説誕生!
・長編賞 怨讐の相続人(『相続人』に改題)保科昌彦 4043728018  2003/11
スポーツ紙の記者、牧野文哉は母校・東学大のアメフト部の試合取材中に美しい女性記者、北川沙織と出会い心惹かれる。しかし、その夜、東学大のアメフト部員が謎の事故死を遂げたのをきっかけに、主要なメンバーが次々と変死していく。なぜかその死の背後には、常に沙織の影がちらついているのだった。事件に興味を抱き、独自に調査を開始した牧野だったが…。
・短編賞 白い部屋で月の歌を 朱川湊人 4043735014  2003/11
ジュンは霊能力者シシィのもとで除霊のアシスタントをしている。仕事は霊魂を体内に受け入れること。彼にとっては霊たちが自分の内側の白い部屋に入ってくるように見えているのだ。ある日、殺傷沙汰のショックで生きながら霊魂が抜けてしまった少女・エリカを救うことに成功する。だが、白い部屋でエリカと語ったジュンはその面影に恋をしてしまったのだった…。

第11回 
・佳作 早瀬乱 レテの支流 
その水を飲むと過去を忘れてしまう忘却の川・レテ。怜治はS大医学部で脳を研究している友人山村が記憶を消去する装置を開発中だと知り、自分の記憶を消す決意をする。それは一世を風靡したバンド「レテ」のボーカルとして活躍した栄光の二年間の記憶だった。だが、過去と決別した怜治に連鎖するように、次々と奇妙な出来事が起きる!
・短編賞 森山東 お見世出し
お見世出しとは、京都の花街で修業を積んできた少女が舞妓としてデビューする晴れ舞台のこと。お見世出しの日を夢見て稽古に励む綾乃だったが、舞の稽古の時、師匠に幸恵という少女と問違われる。三十年前に死んだ舞妓見習いの少女・幸恵と自分が瓜二つだと知り、綾乃は愕然とするが―。千二百年の都・京都を舞台に繰り広げられる、雅びな恐怖譚。
・佳作 福島サトル とくさ 
新聞記者を辞めた私は、御溝と名乗る奇妙な男から秘薬ニスイについて執筆を依頼されるが、取材相手の死など不吉な体験をする。実は、御溝は死者の言葉を呼び返そうとしていたのだ。庭を覆い隠す木賊のように私の不安は増殖してゆく。言葉の呪術的な力を駆使した「とくさ」他、新感覚ホラー四篇。 

姉飼 遠藤徹 相続人 保科昌彦 白い部屋で月の歌を 朱川湊人 早瀬乱 レテの支流 森山東 お見世出し 福島サトル とくさ

第12回
・大賞 恒川光太郎 夜市   ※単行本
大学生のいずみは、高校時代の同級生・裕司から夜市にいかないかと誘われた。裕司に連れられて出かけた岬の森では、妖怪たちがさまざまな品物を売る、この世ならぬ不思議な市場が開かれていた。夜市では望むものが何でも手に入る。小学生のころに夜市に迷い込んだ裕司は、自分の幼い弟と引き換えに野球の才能を買ったのだという。野球部のヒーローとして成長し、甲子園にも出場した裕司だが、弟を売ったことにずっと罪悪感を抱いていた。そして今夜、弟を買い戻すために夜市を訪れたというのだが―。
・長編賞 大山尚利 チューイングボーン 
"ロマンスカーの展望車から三度、外の風景を撮ってください―"原戸登は大学の同窓生・嶋田里美から奇妙なビデオ撮影を依頼された。だが、登は一度ならず二度までも、人身事故の瞬間を撮影してしまう。そして最後の三回目。登のビデオには列車に飛び込む里美の姿が…。死の連環に秘められた恐るべき真相とは?
・短編賞 あせごのまん 余は如何にして服部ヒロシとなりしか 
クリクリとよく動く尻に目を射られ、そっと後をつけた女は、同級生服部ヒロシの姉、サトさんだった。ヒロシなら、すぐ帰ってくるよ―。風呂に入っていけと勧められた鍵和田の見たものは、緑色の張りぼての風呂桶。そこに裸のサトさんが入ってきて…。ゆっくりと自分が失われていく恐怖を描く。

第13回
・長編賞 矢部嵩 紗央里ちゃんの家   ※単行本
叔母からの突然の電話で、祖母が風邪をこじらせて死んだと知らされた。小学五年生の僕と父親を家に招き入れた叔母の腕もエプロンも真っ赤に染まり、変な臭いが充満していて、叔母夫婦に対する疑念は高まるけれど、急にいなくなったという従姉の紗央里ちゃんのことも、何を訊いてもはぐらかされるばかり。洗面所の床から、ひからびた指の欠片を見つけた僕は、こっそり捜索をはじめるが…。
・短編賞 平松次郎 サンマイ崩れ(吉岡暁  に改名) 2008年7月
熊野山地の集落で台風による山崩れが起こった。パニック障害と離人症性障害のため入院中だった僕は、いてもたってもいられなくて、病院を抜け出した。現地対策本部で出会った不思議な老人ワタナベさんと二人の消防団員とともに、土砂崩れで流された墓地の応急処置に向かうが…。表題作のほか、書き下ろし中編「ウスサマ明王」を収録。

恒川光太郎 夜市 大山尚利 チューイングボーン あせごのまん 余は如何にして服部ヒロシとなりしか 矢部嵩 紗央里ちゃんの家 サンマイ崩れ

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■第14回
・短編賞 曽根圭介 鼻 
外科医は、被差別者を救うために違法な手術をすることを決意する。暴力刑事は、少女の行方不明事件の捜査中に、かつて自分が通り魔として傷つけた男に出会う。2人の物語が交差する時、衝撃の結末が!

■第15回
・大賞 真藤順丈 庵堂三兄弟の聖職 2008年10月
庵堂家は代々、遺体から箸や孫の手、バッグから花火まで、あらゆる製品を作り出す「遺工」を家業としてきた。長男の正太郎は父の跡を継いだが、能力の限界を感じつつある。次男の久就は都会生活で生きる実感を失いつつあり、三男の毅巳は暴走しがちな自分をやや持て余しながら長兄を手伝っている。父親の七回忌を目前に久就が帰省し、久しぶりに三兄弟が集まった。かつてなく難しい依頼も舞い込み、ますます騒がしくなった工房、それぞれの思いを抱く三兄弟の行方は?
・長編賞 飴村行 粘膜人間の見る夢(『粘膜人間』に改題) 2008年10月
身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。その暴力に脅える長兄の利一と次兄の祐太は、弟の殺害を計画した。だが圧倒的な体力差に為すすべもない二人は、父親までも蹂躙されるにいたり、村のはずれに棲むある男たちに依頼することにした。グロテスクな容貌を持つ彼らは何者なのか?そして待ち受ける凄絶な運命とは…。
・短編賞 田辺青蛙 生き屏風 2008年10月
村はずれで暮らす妖鬼の皐月に、奇妙な依頼が持ち込まれた。病で死んだ酒屋の奥方の霊が屏風に宿り、夏になると屏風が喋るのだという。屏風の奥方はわがままで、家中が手を焼いている。そこで皐月に屏風の話相手をしてほしいというのだ。嫌々ながら出かけた皐月だが、次第に屏風の奥方と打ち解けるようになっていき―。
・短編賞 雀野日名子 トンコ 2008年10月
高速道路で運搬トラックが横転し、一匹の豚、トンコが脱走した。先に運び出された兄弟たちの匂いに導かれてさまようが、なぜか会うことはできない。彼らとの楽しい思い出を胸に、トンコはさまよい続ける…。表題作をはじめ、親の愛情に飢えた少女の物語「ぞんび団地」、究極の兄妹愛を描いた「黙契」を収録。

曽根圭介 鼻 庵堂三兄弟の聖職 粘膜人間 生き屏風 トンコ

■第16回
・大賞 宮ノ川顕 ヤゴ(『化身』に改題) 2009年10月
まさかこんなことになるとは思わなかった―。一週間の休暇を南の島で過ごそうと旅に出た男は、軽い気持ちで密林へと分け入り、池に落ちて出られなくなってしまう。耐え難い空腹と絶望感、死の恐怖と闘いながら、なんとかして生き延びようとする彼は、食料を採ることを覚え、酒を醸造することを覚え、やがて身体が変化し始め、そして…。表題作のほか、書き下ろし「雷魚」「幸せという名のインコ」を収録。
・長編賞 てえし 嘘神(三田村志郎 に改名) 2009年10月
愛する弟を失ったコーイチは失意の日々を送っていたが、高校で初めて友達と呼べる仲間たちと出会った。しかし、ある朝目覚めると、5人の仲間と出口のない部屋にいた。「嘘神」の声が非情なゲームの始まりを告げる。ルールは7つ。しかし、嘘神の言葉にはひとつだけ嘘がある。与えられた水と食料はわずか。仲間の命を奪って脱出するのか、それとも…。
・短編賞 朱雀門出 寅淡語怪録(『今昔奇怪録』に改題) 2009年10月
町会館の清掃中に本棚で見つけた『今昔奇怪録』という2冊の本。地域の怪異を集めた本のようだが、暇を持て余した私は何気なくそれを手に取り読んでしまう。その帰り、妙につるんとした、顔の殆どが黒目になっている奇怪な子供に遭遇する。そして気がつくと、記憶の一部が抜け落ちているのだった―。表題作を含む5編を収録。

化身 嘘神 今昔奇怪録

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