■2005年度新人賞受賞作 東海林透輝 ドラゴン刑事!
凶眼。そう呼んだのは誰だったろう。妖怪や怪物を見ることができる眼。この特殊な能力を生かすには、警察官しかなかった。龍鈴麗、山独楽署刑事課強行犯係巡査部長。彼女はシャペローン、性犯罪被害者支援専門員という肩書も持っている。今日も小学校低学年の女の子が襲われた…。
水玲沙夜子 満月の涙の結晶は
この街では、新月の夜には眼球は外に出てはいけない。なぜなら、何処からともなく眼球攫いがやってくるから―。眼球は、満月の涙の結晶。眼球は、大切な街の住人たち。ルドルフたち少年は、いざ眼球を守る冒険の旅へ!才能煌めく、超大型ファンタジー。
七瀬砂環 オートマート
その日、自由都市フェールンの市庁舎に、謎のような御触れ書きが出た。『皇帝の心臓は機械、心は歌、体は城。医師には叶わぬ御病を直す、腕に覚えある職人を求む』意味は不明ながらも、大望抱く少年時計職人のアルトリッツは帝都行きを決心。異能の宮廷建築士カロディノの眼にかない、歌姫リザメアと共に皇帝陛下の職人となる。アル自身の大きな秘密が魔の手となって、身辺に迫っていることを知る由もなく―。
■2006年度新人賞受賞作 志堂日咲 ガラス遊戯(ジャンプ小説大賞第14回大賞受賞『舞王 プリンシパル』)
チャリーン。足元で、小さく円いガラスが光る―引き篭もりの生活を送る汰希は、久々に登校した日にこのおはじきと、難病と闘う少年・疾風に出会った。不思議な能力を持つ疾風から、汰希は霊を寄せつけない体質だと告げられる。しかしその間に、おはじきに宿る危険な力は、同級生の凛々子へと伸びていた!心を閉ざしていた汰希がいま、疾風の援護を受けて救出に向かうのだが…。少年達の鮮烈なる冒険譚。
■2007年度新人賞受賞作 蒼 風戯え
妖筆抄奇譚 「ばかたれ」、そう小突きあうのは、民族文化学研究員の榊慶吾と、妖を見る能力を持つ化生絵師・御影。御影は、慶吾が初めて恋した娘の弟だった。ある日、御影が女の遺体を発見したことから、世間を騒がす「指切事件」に巻き込まれていく2人。そして、立ちはだかる時代の闇を前に、御影が見たものは……。大正の東京を舞台に、生真面目な青年と、捻くれ者でやんちゃな少年絵師を描く、実力派新人デビュー作!!
鳩かなこ
帝都万華鏡
桜の頃を過ぎても 舞台は大正に元号が変わった頃の帝都。給費生として一高に入学した石木琢馬は、桜の下で出逢った美しい青年――高市京介に、かつてない感情を抱いていた。放課後、自作の詩をしたためた雑記帳を忘れてきた琢馬は、あわてて教室に駆け戻る。そこで雑記帳を読んでいたのは、あの京介だった――。やがて詩人と編集者となる2人の関係を、濃艶かつエロティックな文体で描いた異色のデビュー作。 |